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読み終わって感想書こうと思っている内に、読了済みが増えています。
のんびり順番に書いていこう。
今回も真田幸村の小説です。

『真田幸村 家康が怖れた男の生涯』
著者:佐竹申伍(PHP文庫)

本屋で立ち読みして、正室殿の出番があるーっと喜んで買った本でした。
文庫一冊で完結していますが、ページ数が多くて読み応えがありました。

物語の流れは第一次上田合戦から大坂夏の陣まで。
講談要素が強い作品で真田十勇士も出てきます。
そして幸村が大活躍します。
最初の場面からして、上杉に人質に出されているのに抜け出して帰ってきて参戦とか、史実をまとめた本も既読の現在、随所に突っ込みどころがありまくりでしたが、大衆に親しまれてきた真田幸村の物語は本来こういう話なんだろうなと思います。
なにより正室殿が私のイメージ通りの人物に描かれていて大満足でした。

というわけで、以下感想です。
私の最重要ポイントは正室殿の出番なので、感想はその辺が中心です。




正室殿の名前はらくです。
こちらの吉継さんは幸村にえらく惚れこみ、一番熱心に縁談を進めていました。
娘はまだ子供なのに、他に縁談があって幸村を持っていかれては困るから!と積極的に動き回る姿に声援を送りたくなりました。

正室殿の出番というと、結婚の時と大助誕生の時ぐらいですが、このお話では要所要所にエピソードが入っていたのが良かったです。
出会った時は、らくはまだ子供で、二人の年の差は九才です。
結婚話が進んでも、幸村は彼女を子供としか思えずに、いずれ夫婦になるとわかっていても実感が湧かず、らくの方は幸村を意識してしまってまともに話せなくなります。
恥ずかしがりながらも、幸村を恋慕うらくが、すごく可愛いです。
幸村の方はポジション的に優しいお兄さんで、自分を慕ってくれる彼女を可愛く思っていても、恋愛対象ではない感じで。
二人は半年ほど離れ離れになりますが、らくと再会した幸村は、彼女の成長にハッとさせられ、この人と夫婦になろうと心に決めます。
これこそ年の差カップルの王道展開。

結婚後も、互いを思いやる二人の姿が見られます。
特に終盤で、大坂から使者が来たことを幸村がらくに告げる場面。
一族郎党を犠牲にするかもしれないことを承知の上で、最後の機会に賭けたいと打ち明ける幸村に、らくは快く彼の背中を押します。
以下、本文からセリフを抜粋して引用。

「さようなこと、お気になさらずに、ただ家康の首を討つことだけお考えくださいまし。らくはあなたに、父吉継の仇を討っていただきとう存じます」
「そう言ってくれるか。幸村のこのわがままをゆるしてくれるか」
「おのれの野心をつらぬくためのわがまま、それが男の道でございましょう。女はよろこんで犠牲になります」


この最後のセリフに、私の理想の正室殿の姿を見た気がしました。
父も夫も息子も有名なのに、彼女自身は謎の人なので、常に出しゃばらずに影から家族を支えていた人なんじゃないかなと想像しています。

もちろん、あくまで想像です。
もしかすると彼女にとっては夫の行動は不本意だった可能性もありますが、事実はわからないので良いように解釈しております。

歴史小説は創作部分が多いのが当たり前なので、近頃は好みの解釈や設定を入れてくれている本を選んで読めばいいのではないかと考えるようになりました。
そのため、立ち読みは必須です。
中身が読めないと、どんな地雷設定(主に嫁関係)が仕込まれているのかわからないので怖くて表紙買いができない。
登場人物に思い入れがあるのも良し悪しですな。

随所で出てくる夫婦の会話に喜びながら、合戦シーンや複雑に絡み合った人間関係も楽しみました
十勇士も一斉に揃うわけではなくて、エピソードを積み重ねながら徐々に集まっていってます。
定番の物語でありながら、独自の人物設定も盛り込まれていて、最後まで飽きずに読めました。

ただ少し気になったのが、信之の扱いです。
対比して幸村を持ち上げるためなのか、小者というか狭量というか、いまいち魅力のない人物に描かれていました。
本多忠勝の娘(この作品での名は、ねい)が幸村と互いに淡い恋心を抱き始めていた時に縁談が来て、結婚相手は真田の倅と聞かされて「幸村様ですか!」と喜んだ後、兄の方だと聞かされて落胆する場面では、信之兄さんが可哀想になりました。
さすがに兄嫁になる人が幸村と恋に落ちるなんて設定で書いておられるのは、この作品ぐらいなのではと思うのですが、これはちょっとあまり歓迎できない設定かも。
さらに悲恋に終わったせいで、結婚してからも幸村がねいへの想いを引きずっていて後味が悪くて仕方がなかったというか……。

上記の部分だけが引っかかりましたが、後はとても面白かったです。
この作品のおかげで、正室殿への萌えがさらに加速いたしました。
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