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真田小説の感想、三冊目です。
今回の本では途中で昌幸から幸村に主役が交代しています。

『真田昌幸と真田幸村』
著者:松永義弘(人物文庫・学陽書房)

まずは立ち読みで正室殿の出番を確認。
セリフはなかったのですが、設定が好みな感じで、さらに幸村の設定が珍しかったので購入しました。

講談要素がすごく強いお話でした。
今現在持っている真田幸村の小説で一番ページ数が少ない本なのですが、物語は武田滅亡から始まっていて、展開が早い早い。

これでは話を消化するだけで精一杯で、内容が薄いのではないかと思われそうですが、逆に凝縮されててすごく濃いです。
オリキャラも交えて、独自の話が展開されていってます。
独自すぎて、ツッコミどころが有り過ぎます。(←楽しい意味で)

以下、感想です。



冒頭で謎の怪しい老婆に呪いをかけられる真田兄弟。(いきなりツッコミを入れたくなる展開に)
この老婆が何だったのか読み返してもいまいちわかりませんでした。
呪いの内容は、弟が父を殺し、兄が弟を殺すというもの。
物語に絡めようとしていた様子でしたが、あまり意味はなかったような……。
ただインパクトはすごくありました。

こちらのお話での真田兄弟は、
信幸は冷静で真面目、几帳面で着物はきっちり着こなすタイプ。
幸村は元気でやんちゃな次男坊、身装にはあまり構わずだらしない。
と、対照的な性格設定がされていました。
彼らの性格を象徴するエピソードとして、武田滅亡の章で昌幸が裏切ったと思い込んだ勝頼が、人質に置かれていた真田兄弟を討てと命じる場面があるのです。
この時、くのいちの曾呂(ソロ)が危険を知らせに来てくれるのですが、幸村は勇んで無謀にも追手に挑みかかろうとするので取り押さえ、家から出てこない信幸の様子を見に行くと、臥床を片づけていたりします。(夜中の出来事なので)
「あほっ!」とか「世話のやける!」とか兄弟に言ってる曾呂さんが面白い。

現在までに確認した真田小説に出てくるオリキャラくのいちにはあまり良い印象がなかったのですが、この曾呂さんは良い感じでした。
何が違うのか考えてみましたが、彼女は幸村と恋愛で絡むことがなかったからでした。それらの小説は(作中で)正室殿がないがしろにされているみたいで読む気になれなかったのですよ。

話を戻しますが、ここでは今にも追手が来るという状況で、几帳面に布団を片づけている信幸兄さんに一番ツッコミを入れたくなりました。

正室殿の名前はお大でした。ふりがながなかったので読み方がわかりません。
息子の大助から連想して名づけたのだとすると、おだいでいいのかな?
色の白い典雅な美女で、昌幸目線での印象は、おおどかなお姫様だそうです。
結婚が決まったので吉継と幸村と一緒に昌幸に挨拶に来る所と、家を訪ねてきた昌幸を出迎えるだけの出番でしたが、この少ない描写だけで想像力を掻きたてられて満足です。

彼女が大助を身ごもった頃、幸村は三十二才で人生を謳歌していて、女の方も5、6人に手を出しているらしいと地の文で解説されておりました。
ここの幸村女好き設定が珍しかったので、面白いなぁと思ったのです。
この幸村さんなら結婚が決まった途端、お大さんにも即手を出していたのではないかと想像してしまいました。

旦那が外で遊びまわっているというのに、身重のお大さんは幸せそうだったので、遊びとは別にちゃんと妻子も大事にしている様子でございます。(浮気三昧で嫁さん大事にしてなかったら舅殿に殺されてそうだが)
この作品でも、幸村は吉継を尊敬していますし、情勢が不穏な方向に動き始めると相談に行く場面も出てきます。
正室殿についてもですが、やはり婿殿、舅殿の関係もしっかり書いてくれていると嬉しいです。

ちなみに昌幸さんも女好き。
父と兄弟が道を違える犬伏の別れの辺りで、今宵は遊女を呼んで騒ごうと言い出す親父。
女好きも含めて、昌幸と幸村は似た者親子な描写が多かったです。

真田幸村の話では、当然ながら徳川は悪役っぽい描かれ方をしていることが多いのですが、こちらの徳川家康と本多正信の描写は悪巧みをしている悪代官と商人そのものでした。
昌幸に刺客が送られてきたり、大砲争奪戦など、徳川と真田は裏で忍び同士の激闘を続け、十勇士達も大坂の陣に参戦するまでの道のりで次々と倒れていきます。
どこの時代劇スペシャルだと言いたくなるほど、忍者達の戦いが繰り広げられます。

そして最後に梅が参戦という驚きの展開が待っていました。
三女阿梅、二十三才、女丈夫であったと書かれています。
彼女は大坂に行く道中で、父と弟と一緒に槍を振るって戦います。
後に夫となる片倉重長の陣に一人で乗りこんでいったなどの武勇伝の逸話も残っている人ですが、今まで見かけた小説では勝気でしっかり者の女性に描かれているだけで、実際に戦っている創作を読んだのは初めてだったのでびっくりしました。
さすがに参戦は道中だけで短いエピソードでしたが、最後まで飽きさせてくれません。

読後感は走り切ったマラソンみたいな印象でした。
しみじみとは浸れませんでしたが、何度も読み返したくなる勢いと面白さがありました。
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