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お久しぶりです。
放置気味になって数ヶ月。
このような状態ですが、ご来訪下さり、拍手も押してくださってありがとうございます。

今回は竹林院様メモにお勧め小説を一冊追加しましたので、ついでに感想も。
順番からいけば関ヶ原群雄伝の感想を書きたかったのですが、うまくまとまらずにいますので、こちらを先に書きました。
以前少し書きました、正室殿は可愛かったものの内容が衝撃的だった本です。

『軍師 真田幸村』
著者:井口朝生(成美文庫)

真田幸村と著者名で検索するとこの本を含めて三冊ほど出てきますが、恐らく内容は同じだと思われます。
改稿などもされているらしく、1996年発行のこちらの本が一番新しいもののようです。

それから私には耐えられるレベルでしたが、性描写と残酷描写がきついです。
小説自体は一般書籍ですが、性暴力に関する描写もあり、紹介している他の作品と比べて表現がきついので注意点として上げておきます。

感想はいつものごとく正室殿中心になってますが、小説の内容は関ヶ原の戦いの少し前の、幸村と十勇士の活躍がメインです。
十勇士は全員が配下ではなく、敵となって出てくる人もいて、因縁や偶然の出会いを繰り返しつつ、複雑な人間模様が展開されていきます。


物語は幸村の縁談が持ち上がる所から始まります。
相手は大谷吉継の娘。
しかし、渋い顔をする真田親子。
昌幸さんは、大谷さんが何の裏もなく娘を嫁がせるはずがないと警戒しています。
ここまで大谷家との縁談に難色を示す真田家は初めて見た。
これが最初の衝撃。

どう対処しようと思案しているうちに、大谷さんが上田に娘を送り込んできます。
正室殿の名前は浪江。
作中では、浪姫、または浪と呼ばれています。
浪姫は負の感情をまったく持たないお姫様です。
どんな状況も素直に受け入れてしまい、苦労を苦労とも思わない、なんとも不思議な人でした。
それでいて、他人の感情に鈍感というわけではなく、気遣いを見せたり、寄り添うこともできます。
今までの正室殿像とは、まったく違う人物設定なので戸惑いもありましたが、色白で華奢な儚い容姿のお姫様でありながら(精神的に)逞しい所もあって、好ましい人物になっていました。

幸村には父とは別の理由から縁談を断りたい気持ちがあり、浪姫が実家に帰りたくなるように仕向けようと、わざと放置して冷淡な態度を取ります。
しかし、浪姫はめげません。
幸村に、上田に残るなら傍仕えの人間全てを国に送り返せと言われて、素直に実行。
一人で幸村の屋敷へと移り住み、居座ってしまいます。
この辺の描写がすごく面白かったです。
幸村は浪姫が嫌いなわけではないので、完全に拒絶もできず、無意識に受け入れていってしまいます。

浪姫の心境は描写されていないので、彼女が何を考えていたのかは仕草や表情などから推測するしかありません。
それでも、浪姫が幸村を慕っていることは伝わってきました。
屋敷で彼の帰りを待ち、良いお嫁さんになろうと頑張っている浪姫は可愛いです。
意識してか自然にか、周囲もしっかり味方につけてしまい、結局みんなして幸村に結婚しろという空気を作って追い込んでいきます(笑)

一方、幸村には領内の村に囲っている女性がいます。
恋人ではなく、職業的な意味のお妾さんです。
名前はるい。
子供が産めずに実家に帰された過去があり、幸村が彼女を選んだのは、あちこちに子供を作りたくないからという単純な理由。
るいも伽はお勤めとして割り切っていたものの、浪姫が現れたことで素直にそう思えなくなります。
幸村を慕う気持ちや、浪姫への嫉妬など、彼女自身はそれと気づかない感情に苛まれ、苦しみます。

さらに現れるのは、浪姫の侍女くみ。
盗賊から幸村に救われた村娘で、浪姫の侍女に雇われます。
浪姫に心酔するくみは、るいを敵視。
るいはますます居た堪れない思いを積み重ねていき、女性の気持ちに疎い幸村もさすがに気づき、くみに浪姫がるいを嫌っているのかと問いかけます。
くみは、浪姫が人を嫌わない人だから自分が代わりに(るいを)嫌うのだと、妾の所に通って浪姫を蔑ろにする幸村を責めるのです。
(ちなみに結婚後も幸村がるいを妾にしていたのは、浪姫が華奢過ぎて溜まった欲望を十分発散できないからという、女の立場からすればちょっと……な理由です。浪姫もそれがわかっていたからか、るいに自分の身代わりとして幸村にお仕えしてと衣装を贈ったり、伝言をしたりしています)

浪姫とるいが動かないので、修羅場というほどの場面はないものの、くみさんのおかげでじわりじわりとドロドロしてくるわけですが、彼らの関係もるいが去ることで終わります。
正室殿を空気にしてオリキャラと恋愛されるのは私的には地雷設定ですが、こういった複雑な恋愛要素だと、ちょっと目先が変わって読み応えがありました。

この後、関ヶ原の戦いが起きて、九度山に流され、そこで浪姫は大助を産みます。
しかし、浪姫はお産で力尽き、幸村と大助をくみに託して亡くなってしまいます。
弱っていく浪姫を見て、幸村が彼女を愛しいと思う気持ちを自覚するのが、また悲しい。(遅いよー)

嫁いできて三年、実質夫婦になったのは一年半。
喪ってから浪姫の大切さに気づき、もっと暖かく慈しんでやれば良かったと後悔する幸村。
すれ違い過ぎだー。。。゚(゚ノД`゚)゚。

でも、浪姫は幸せだったのではないかなと思います。
幸村に愛されていることは、ちゃんとわかっていて、彼の血を引く子供も残せた。
共に過ごせないのは悲しいけど、自分の役目を果たせたという満足感が読み取れて、どんな苦難も悲しみも淡々と受け入れてきた浪姫らしく、心安らかに眠りについたような気がします。

浪姫を求める気持ちと後悔する幸村の独白を聞いていたのが、浪姫に後を託されたくみです。
浪姫の心に寄り添いすぎていたのか、彼女もまた幸村に惹かれており、(明確ではなく匂わせる程度の描写でしたが)後添いとなって幸村を支えて、大助を育てます。
ですが、幸村との間に子供はなく、大坂の陣が起きた後、彼女は一人残されてしまいます。

この話の読後感にいつも感じる満足のいく余韻がなかったのは、後に続くものが何も残らないからなのかと分析。
いつもだと、子供達が残って血が繋がっていく希望が残されているのですが、今回はそういったものがありません。
幸村自身が自らの出生に疑問を持ち、血を残したくないと考えていて、浪姫の命と引き換えに生まれた大助に対して憎しみも感じてしまうと、複雑な心境を吐露するなど、幸村像もいつもと全然違います。
最後は死によって全て昇華されていくような、儚さも感じられる読後感でした。


最後に、他に衝撃的だった箇所を紹介。

■佐助と才蔵の三角関係?
才蔵は徳川に仕える敵として出てきます。(伊賀忍者だから)
佐助に想いを寄せて追いかけまわしているくのいちの亜矢に、才蔵が想いを寄せていて、才蔵→亜矢→佐助という一方通行な三角関係が物語の隅っこで展開されていたのですが……。

終盤になり、幸村の命を狙う才蔵を佐助が倒します。
勝利を喜ぶ亜矢を殴った佐助は「俺は才蔵が好きだった」と告白して悲しみに震えます。
最初は普通に親友への好意の意味での好きだっただと思ったのですが、長年一緒にいながら佐助が亜矢を受け入れなかったことといい、綺麗に矢印が繋がった三角関係だったのかと、読み返すうちに解釈に疑念が湧いて衝撃を受けました。
彼らのエピソードはここで終わってしまい、作者様の真意がわかりません。
真田幸村の小説でBLは勘弁して欲しいので、これ以上は深く考えないでおきましょう。

■三好晴海、為三兄弟の最期。
大坂の陣の最中、死を覚悟しての突撃を前に怖気づき、逃げようと兄に訴える為三。
お前など生き残っても人様に迷惑をかけるだけ、死に花を咲かせてやろうという殿のお心がわからぬか!と憤って弟の首を刎ねる晴海さん。後で冥土で叱ってやると泣きながら敵陣に突撃していきます。
この展開には、びっくりしました。
所々に欲望に負けてどうしようもない行動を取っている為三さんのエピソードがちょこちょこ差し込まれていたのは、この展開への伏線だったのかー。
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